フランジとは何か
便器と排水パイプはフランジという接続部品で繋がっています。
築40年などの古い家では、フランジがなかったり、壊れている場合があり、その時はフランジ自体の交換が必要です。
この家は、築40年近くたっているので、フランジがどうなっているのか便器を外してみなければ分かりません。
おそらく、フランジは付いていても、交換が必要でしょう。
フランジは、パイプとパイプをつなぐ際に使われる、円盤の形をした継手部品です。
丸い形で、排水管にはすっぽり入り、床とはネジなどで固定され、同時に便器にはボルトで接続するようになっています。
排水パイプの内側に入るので、パイプと接着する必要はありません。
分かりやすいように、シンプルな図を描いてみました。便器は省略しています。
通常、便器はスッとはずれるようになっています。
また、フランジと便器の接着面には、ガスケットというドーナツの形をした粘土のようなパッキンを挟み込みます。
リフォームの場合、フランジが問題なく使えるようであれば、このガスケットだけを交換すればよいので、とても簡単です。
しかし、便器を交換するタイミングでフランジを交換した方が、後々、トラブルがないと思います。
クッションフロアなどは、フランジを付けるタイミングで貼っておくと、トイレの取り付けがきれいにできます。
このフランジは、排水パイプの大きさによって、75用と100用の二種類があります。
排水管の大きさが分からない場合は、75と100の兼用タイプもあります。75のサイズが一般的ですが、ちょっと古いトイレだと100の場合があります。
フランジは、排水パイプの内側に差し込むようになっています。ですから、排水パイプの大きさが100タイプなのに、(VP100など)75のフランジを使用すると隙間が大きく空いてしまうことになります。
トイレは、短時間に作業しなければならないので、排水パイプのサイズが分からない場合(普通、わからない)は、兼用タイプ(三栄水栓製作所H800-8など)を用意しておくのが良いでしょう。ホームセンターでも売っていることがあります。実は、私はこの兼用タイプを注文したつもりが、75サイズを間違って購入してしまいました。たまたま、パイプが75サイズだったのでよかった~。トイレの便器交換がスムーズにできるかどうかは、このフランジがうまく設置できるかどうかにかかっていると思います。
トイレを外してみた
実際にトイレを外してみました。フランジがあるのか?どうなっているのか?排水パイプのサイズは?
すべては、便器を外してみないと分かりません。
今までに数台トイレを外していますが、すべて台座のボルトを外した後、上に持ち上げるとスッとはずれました。
意外と簡単にはずれます。
ただし、水がたまっているので、ヒシャクや、灯油ポンプなどで前もって掻き出しておくとよいでしょう。
今回は、めんどうなので、水がはいったまま、横の浴室に持って行き、ゆっくりと傾けて水を流しました。
こちらがフランジの写真です。茶色の粘土のようなものは、ガスケット(粘土のようなパッキン)です。
フランジは付いているようです。排水パイプは75ミリのようです。
しかし!驚いたことに、排水パイプの外側にフランジが付いています。
おそらく100サイズのフランジしか手元になかったために、75サイズのパイプの端を無理矢理広げて、シーリング材を使って、何とか使えるようにしたのでしょう。
これでは、フランジまで来た排水が排水パイプの外側に染み出てしまいます。
フランジと排水パイプはガスケット(シーリング)によって防水されていますが、長年の間に、シーリングなどは、隙間がでて、水がしみだしてしまうのは分かりそうなもの。
こうした施工をするんですよね・・・プロは。
以前、雨漏りを直した時に、同じよう施工の間違いヶ所がもっていました。
案の定、水漏れが発生して、トイレの床下(ここでは、コンクリート面の下)全面に回りこむことになりました。
年月が経つうちに、フランジを床に固定していたネジも腐食して、まったく固定されていない状態になっていたので、トイレを利用するたびにぐらぐらと動きだし、シーリングも一層痛み、水漏れが激しくなったのでしょう。DIYの良いところは、こうしたプロの業者のような手抜き(施工不良)がないことです。
フランジを交換する
トイレのフランジの交換作業に入ります。作業自体は簡単です。
今回注文したフランジは、
「三栄水栓 【トイレ用 床フランジ 大便器用】 呼び75配管用 H80-8-75 」
というものです。だいたい1500円前後で手に入ります。
作業の前に、パイプに異物が入らないように、新聞紙をひもで結わえたものを差し込んでおきます。
古いフランジを取り外します。ネジが腐食して、全く固定されていませんでした。
パイプが無理矢理広げられているので、その部分をディスクサンダーなどでカットします。
床と同じ面でカットできました。
今回は、床がコンクリートなので、コンクリート用のねじでフランジを固定します。
排水パイプにぐっとフランジを差し込み、ねじで留めます。接着剤は使いません。
出来上がりました。フランジには、便器と接続するためのボルトが2個付いています。
この写真は、トイレのタンクがあった壁面がわかります。壁材がなくて、穴があいています。
フランジは新品になりました。
ここまでくれば便器の交換は峠を越えています。
ただ、排水芯200、つまり・・後ろの壁面から、排水パイプの中心までの長さが200ミリではありません。そのため、リフォーム便器を利用します。
床にクッションフロアーやフロアタイルなどを敷く場合は、このタイミングでやります。便器を乗せる前に床を仕上げておくと楽です。
私の場合、トイレが一か所しかないために、時間的な理由から、一度、古い床材の上に便器を乗せることにしました。
その後、内装(漆喰)などをして、最終的に便器を再度はずし、フロアタイルを敷きました。
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