DIY自分でトイレの便器を交換する-基本の考え方・フランジとは・フランジの交換

自分でトイレの便器を交換します。今回は、便器交換の基本的な知識、特にトイレの便器交換の肝・・フランジについて詳しく書いてみたいと思います。

中古で購入した家のトイレはこのような状態でした。

床のクッションフロアを交換し、温水便座を設置しました。

しかし、便器は古いまま・・3年ほど経つたところで、トイレドアの敷居の一部に黒い雨漏りのようなシミが現れました。
いろいろ調べた結果、最後に残るのが便器と排水パイプの間からの漏水でした。この機会に便器自体も新しくしようと思いました。

トイレの便器交換は、トイレを使用しない状態であれば、それほど難しくありません。

ポイントは・・

1)排水管の位置・・リフォーム便器か普通の便器か?・・・奥の壁から排水管の芯までが200mmであれば、通常の便器を利用可能。それ以上であればリフォーム便器を利用する。

2)排水管の太さ・・フランジの選定・・・太さにあったフランジを用意して取り付ける。

ということになります。

自宅で使用しているトイレ便器を交換する場合は、一日くらいですばやく工事をしなければ家族が困るので大変です。 上記の排水管の位置、排水管の太さなどは、便器を外してからわかるものだからです。そのため、前もって新しい便器やフランジを購入することが難しくなります。 私の場合も、今回は使用している自宅の便器でした。

どうしたかというと、今までの経験から、古い家なので壁からの距離は200mm以上のはず、いや、300mmくらいはありそう・・・

フランジは、太さにとらわれない兼用タイプを・・という感じで、アバウトですが、とにかくすぐに取り付けられるように、購入しておきました。

制限時間は半日・・奥様がお出かけの日に工事しました。

 

 



 

フランジとは何か

便器と排水パイプはフランジという接続部品で繋がっています。

築40年などの古い家では、フランジがなかったり、壊れている場合があり、その時はフランジ自体の交換が必要です。

この家は、築40年近くたっているので、フランジがどうなっているのか便器を外してみなければ分かりません。

おそらく、フランジは付いていても、交換が必要でしょう。

フランジは、パイプとパイプをつなぐ際に使われる、円盤の形をした継手部品です。
丸い形で、排水管にはすっぽり入り、床とはネジなどで固定され、同時に便器にはボルトで接続するようになっています。
排水パイプの内側に入るので、パイプと接着する必要はありません。

分かりやすいように、シンプルな図を描いてみました。便器は省略しています。

トイレのフランジの横断図・DIYリフォーム入門
通常、便器はスッとはずれるようになっています。
また、フランジと便器の接着面には、ガスケットというドーナツの形をした粘土のようなパッキンを挟み込みます。
リフォームの場合、フランジが問題なく使えるようであれば、このガスケットだけを交換すればよいので、とても簡単です。
しかし、便器を交換するタイミングでフランジを交換した方が、後々、トラブルがないと思います。
クッションフロアなどは、フランジを付けるタイミングで貼っておくと、トイレの取り付けがきれいにできます。

このフランジは、排水パイプの大きさによって、75用と100用の二種類があります。
排水管の大きさが分からない場合は、75と100の兼用タイプもあります。75のサイズが一般的ですが、ちょっと古いトイレだと100の場合があります。

フランジは、排水パイプの内側に差し込むようになっています。ですから、排水パイプの大きさが100タイプなのに、(VP100など)75のフランジを使用すると隙間が大きく空いてしまうことになります。

トイレは、短時間に作業しなければならないので、排水パイプのサイズが分からない場合(普通、わからない)は、兼用タイプ(三栄水栓製作所H800-8など)を用意しておくのが良いでしょう。ホームセンターでも売っていることがあります。実は、私はこの兼用タイプを注文したつもりが、75サイズを間違って購入してしまいました。たまたま、パイプが75サイズだったのでよかった~。トイレの便器交換がスムーズにできるかどうかは、このフランジがうまく設置できるかどうかにかかっていると思います。

 

トイレを外してみた

実際にトイレを外してみました。フランジがあるのか?どうなっているのか?排水パイプのサイズは?

すべては、便器を外してみないと分かりません。

今までに数台トイレを外していますが、すべて台座のボルトを外した後、上に持ち上げるとスッとはずれました。

意外と簡単にはずれます。

ただし、水がたまっているので、ヒシャクや、灯油ポンプなどで前もって掻き出しておくとよいでしょう。

今回は、めんどうなので、水がはいったまま、横の浴室に持って行き、ゆっくりと傾けて水を流しました。

こちらがフランジの写真です。茶色の粘土のようなものは、ガスケット(粘土のようなパッキン)です。

古いトイレのフランジ写真・DIYリフォーム入門

フランジは付いているようです。排水パイプは75ミリのようです。
しかし!驚いたことに、排水パイプの外側にフランジが付いています。
おそらく100サイズのフランジしか手元になかったために、75サイズのパイプの端を無理矢理広げて、シーリング材を使って、何とか使えるようにしたのでしょう。
これでは、フランジまで来た排水が排水パイプの外側に染み出てしまいます。

フランジと排水パイプはガスケット(シーリング)によって防水されていますが、長年の間に、シーリングなどは、隙間がでて、水がしみだしてしまうのは分かりそうなもの。

こうした施工をするんですよね・・・プロは。
以前、雨漏りを直した時に、同じよう施工の間違いヶ所がもっていました。
案の定、水漏れが発生して、トイレの床下(ここでは、コンクリート面の下)全面に回りこむことになりました。
年月が経つうちに、フランジを床に固定していたネジも腐食して、まったく固定されていない状態になっていたので、トイレを利用するたびにぐらぐらと動きだし、シーリングも一層痛み、水漏れが激しくなったのでしょう。DIYの良いところは、こうしたプロの業者のような手抜き(施工不良)がないことです。

フランジを交換する

トイレのフランジの交換作業に入ります。作業自体は簡単です。
今回注文したフランジは、

「三栄水栓 【トイレ用 床フランジ 大便器用】 呼び75配管用 H80-8-75 」

トイレのフランジの写真・DIYリフォーム入門

というものです。だいたい1500円前後で手に入ります。

 

作業の前に、パイプに異物が入らないように、新聞紙をひもで結わえたものを差し込んでおきます。

古いフランジを取り外します。ネジが腐食して、全く固定されていませんでした。

トイレのフランジを交換する・DIYリフォーム入門

パイプが無理矢理広げられているので、その部分をディスクサンダーなどでカットします。

古いフランジをはずす写真・

床と同じ面でカットできました。

トイレのフランジを交換する・DIYリフォーム入門

今回は、床がコンクリートなので、コンクリート用のねじでフランジを固定します。

排水パイプにぐっとフランジを差し込み、ねじで留めます。接着剤は使いません。

トイレのフランジを交換する・DIYリフォーム入門

出来上がりました。フランジには、便器と接続するためのボルトが2個付いています。

この写真は、トイレのタンクがあった壁面がわかります。壁材がなくて、穴があいています。

フランジは新品になりました。

トイレのフランジを交換する・DIYリフォーム入門

ここまでくれば便器の交換は峠を越えています。

ただ、排水芯200、つまり・・後ろの壁面から、排水パイプの中心までの長さが200ミリではありません。そのため、リフォーム便器を利用します。

床にクッションフロアーやフロアタイルなどを敷く場合は、このタイミングでやります。便器を乗せる前に床を仕上げておくと楽です。

私の場合、トイレが一か所しかないために、時間的な理由から、一度、古い床材の上に便器を乗せることにしました。

その後、内装(漆喰)などをして、最終的に便器を再度はずし、フロアタイルを敷きました。

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